【社労士解説】入社時の手続きガイド|正しい流れと必要な書類を徹底解説!
新入社員が多く入る時期、人事・労務担当者になったばかりの方は「まず何をすればいいのか?」「どんな書類を集めるべきか?」と不安になることも多いでしょう。入社時の手続きを疎かにすると、後のトラブルや給与計算のミスに直結します。
本記事では、社労士が実務レベルで押さえておくべき入社手続きの3つのフェーズ「入社前」「入社後」「初回の給与計算」について、流れに沿って詳しく解説します。
【入社前】契約の締結と情報の回収
入社日を迎える前にまずは雇用条件の合意と、手続きに必要な情報の回収を完了させておくことが重要です。
雇用契約と誓約書の取り交わし
・雇用契約書(労働条件通知書): 働く時間や給与などの条件を明文化し合意を得ます。求人内容との相違によるトラブルを防ぐため、必ず入社前に完了させましょう。
・各種誓約書: 入社時の誓約書、機密保持誓約書、身元保証書など、会社の安全経営のために必要な書類を準備します。
従業員情報の回収
社会保険や雇用保険の手続き、税金の計算に以下の情報・書類が必要になります。
・マイナンバー: 社会保険・雇用保険の加入に必須。
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・給与所得者の扶養控除等申告書: 住所や家族情報の把握に必要。
・前職の源泉徴収票: 年末調整を行う際に必要となります。
・その他: 通勤経路(マイカー通勤なら車検証や自賠責保険の情報)など。
【入社後】保険関係・住民税の手続き

従業員が入社したら、速やかに公的機関への届け出を行います。
社会保険・雇用保険の資格取得届
・社会保険(健康保険・厚生年金): 週30時間以上かつ正社員の3/4以上の時間働く場合などが対象。年金事務所へ提出します。
・雇用保険: 週20時間以上働く場合などが対象。ハローワークへ提出します。 ※これらの手続きは入社日以降でないと行えないため注意が必要です。
住民税の切り替え(特別徴収)
従業員が自分で住民税を納める「普通徴収」から、会社が給与から天引きする「特別徴収」に切り替えるための手続きを市区町村に対して行います。
【初回給与計算】ミスを防ぐためのチェックポイント
入社後、最初の給与計算は最もミスが起きやすいタイミングです。
給与ソフトへの正確な登録
入社前に回収した情報を元に、基本給、諸手当、通勤手当、扶養家族の数などを登録します。特に社会保険料は年金事務所から戻ってくる「標準報酬月額」の等級を確認して登録しましょう。
社会保険料の徴収タイミング
会社によって「当月分を当月引く」のか「当月分を翌月引く」のかが異なります。自社のルールに合わせて、初回の給与から引くべきかどうかを正しく判断する必要があります。
まとめ:労務クラウドの活用で効率化を
入社手続きは多岐にわたりますが、最近では「SmartHR」などの労務クラウドを活用することで、情報の回収から書類作成までをスムーズに行えるようになっています。
・入社前にしっかり契約を交わすこと
・保険や税の手続きを期限内に行うこと
・給与計算の初期設定を正確に行うこと
これらを確実に行うことが、従業員との信頼関係を築く第一歩です。手続きの進め方や、クラウドツールの導入について詳しく知りたい方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

この記事の著者
福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹
創業50年を超える歴史を持つ福岡社会保険労務士法人の代表社員。「手続きを代行するだけの社労士」ではなく、企業の成長と発展に本気で貢献する「提案型」の支援をモットーとしている。
強みは、労務相談や就業規則の見直し・作成といった基本業務に加え、勤怠・給与・タレントマネジメントなどのクラウドツール導入支援を組み合わせた総合的な人事労務の運用サポート。制度構築後の「運用」を重視し、労務環境の整備と企業発展に繋がる助成金の正しい活用にも注力している。