【KiteRa様主催】ユーザー交流会に講師として登壇しました – 社労士×DX
先日、「社労士の実務を変えるシステム活用術」というテーマでセミナーに登壇しました。社労士事務所の経営者・スタッフの方々を中心に、HRテクノロジーの活用や業務デジタル化に関心をお持ちの方々にお集まりいただきました。
当日は多くの方にご参加いただき、皆さんが真剣にメモを取りながら聞いてくださる姿がとても印象的でした。セミナー後の質疑応答では「どのシステムから始めればいいか」「顧問先への提案はどう切り出すか」といった実践的なご質問もいただき、大変充実した時間となりました。
社労士業界が直面している2つの課題
社労士事務所が提供するサービスは、手続き代行・給与計算・労務相談・コンサルティングなど多岐にわたります。しかし近年、業界全体として大きく2つの課題に直面しています。
1つ目は事務所間の差別化が難しくなっていること。提供サービスの内容が似通ってきており、価格競争に陥りやすい状況です。
2つ目は労務問題の高度化。働き方の多様化や法改正が続く中、求められる専門性のレベルが上がり続けています。
こうした状況の中で注目されるのが「デジタル化支援」というサービス領域です。競合が少なく企業需要は高く、市場も伸びている——今最も差別化しやすいフィールドだといえます。
デジタル化で社労士の実務はここまで変わる
人事労務管理におけるデジタル化の領域は、大きく4つに分かれます。
✅勤怠では、GPS打刻や顔認証などの多様な打刻方法、有給の自動付与、シフト自動作成、労働時間の自動集計などが可能になります。
✅給与では、勤怠データの自動取り込みや給与明細の自動配信、年末調整のデジタル化が実現します。
✅労務では、雇用契約書の自動作成・電子合意や、社会保険手続きの電子申請がスムーズになります。
✅タレントマネジメントでは、評価制度のワークフロー管理や従業員情報の詳細管理が可能です。
例えば入退社手続きは、顧問先側で情報を登録すれば社労士事務所側の入力作業がなくなり、精査後にそのまま電子申請できます。給与計算も勤怠確定後のインポートで大幅に省力化されます。
なお、これらを一気に導入する必要はありません。まずは「給与のデジタル化支援」から始め、勤怠→労務→タレントマネジメントとステップアップしていくのが現実的です。
社労士こそがDX支援をすべき理由
デジタル化の成功には「現場の運用ルール × 法律 × システムで対応できる領域」の3つの交点を見極めることが不可欠です。この交点を正確に把握できるのが社労士の強みです。
具体的には4つの理由があります。
①「システムを入れれば全て楽になる」という幻想を法律の視点から正しく修正できる
②法律という”設計図”を使って、企業独自のフローを本来あるべき業務フローへ導ける
③”先生”という立場から、現場への指導・定着支援がしやすい
④導入後の運用フェーズで生じる相談は「法律が絡む」ことが多く、ベンダーでは対応しきれないケースが多い
特に4つ目は重要です。システムの「導入」よりも「運用の定着」こそが成功の鍵であり、そこに社労士が関与することで顧問先との関係もより深まります。
システム選定で失敗しないためのポイント
領域ごとに、選定時に押さえておくべきポイントが異なります。
勤怠クラウドで重要なのは「機能」です。通常勤務か変形労働制か、残業時間の識別ルール、打刻方法の要件など、シフト作成から勤怠確定までの流れを事前にしっかりヒアリングしないと、導入後に手作業が増えて不満につながります。
給与クラウドで重要なのは「連携と計算式の柔軟性」です。手当に複雑なルールがある場合や、既存の勤怠・会計ツールとの連携可否を確認しましょう。
労務クラウドで重要なのは「導入する目的」です。目的次第では、そもそも導入しない方が費用対効果上は良いケースもあります。
そして全領域に共通する最も大事な問いは、「なぜシステムを入れるのか」を明確にすることです。業務効率化なのか、法令遵守なのか、データの可視化なのか——目的を明確にすることで期待値のズレを防ぎ、より良い支援につながります。
オススメしたいシステム
当日、スライドでお見せしたおすすめのツールをご紹介します。
🟢勤怠クラウド:KING OF TIME
機能の幅が広く、OEMも多く価格も安い。単機能での導入なら頭ひとつ抜けた存在です。
🟢給与クラウド:マネーフォワード給与
連携できる勤怠システムの多さ・価格・機能のバランスが優秀。ただし仕組みが複雑なため、設定には注意が必要です。
🟢労務クラウド:オフィスステーション労務
ジャンル別の別売りができ、価格も安い。社労士の通常業務との親和性も高いです。
🟢包括的クラウド:One人事
勤怠・給与・労務・タレントマネジメントの各機能がバランスよく揃っており、タレントマネジメント需要の高まりとともに導入が伸びています。
まとめ
📌AIやテクノロジーの発展により、社労士事務所も差別化して生き残る必要がある
📌顧問先の廃業リスクが高まる中、経営支援としてのデジタル化支援は大きな付加価値になる
📌社労士事務所の差別化手段として、デジタル化支援は非常に有効
📌まずは「対象ツール選定→自社導入→給与クラウド支援」の順で始めるのがおすすめ
📌システム選定は「導入する目的」を明確にすることで失敗を防げる
弊所では、既存の顧問関係を維持したまま、株式会社Labor aidと連携してクラウド導入支援を行う協業モデルも提供しています。「顧問先からシステム導入の相談を受けているが対応しきれない」という社労士事務所さまも、ぜひお気軽にご相談ください。
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