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【社労士解説】マネーフォワード クラウド給与の設定、間違えていませんか?未払いを防ぐための重要ポイント3選

「クラウド給与ソフトを使っているから、計算はすべて自動で安心」と思っていませんか?実は、初期設定が間違っていると、気づかないうちに給与の「未払い」や「過払い」が発生してしまうリスクがあります。

本記事では、社労士の視点から、マネーフォワード クラウド給与で特に間違いやすく、かつ重要な「3つの設定ポイント」を徹底解説します。

せっかくの便利なツールを正しく使いこなし、適正な労務管理を実現するために、ぜひ最後までチェックしてください。

設定ミスが招く「自動的な未払い」のリスク

マネーフォワード クラウド給与は非常に便利なツールですが、設定を間違えたまま運用すると、「間違った計算を自動で継続してしまう」という怖さがあります。

特に自分たちだけで設定を完了させてしまったケースでは、法的に必要な手当が計算から漏れていたり、単価が低く算出されていたりすることが少なくありません。これらは意図せずとも「給与未払い」に直結します。便利で自動だからこそ、その前提となる「設定」が何よりも重要になります。

ポイント:時給単価を割り出す「分母」の設定

月給制の場合、残業代を計算するにはまず「1時間あたりの賃金(時給単価)」を出す必要があります。この時に重要となるのが「分母」となる時間数です。

会社全体の「基本設定」を確認

「基本設定」>「年度」の項目で、年間休日などから算出される「所定労働時間(月平均)」が正しく登録されているか確認しましょう。ここが実際の就業規則とズレていると、時給単価の計算がすべて狂ってしまいます。

従業員ごとの個別設定

時短社員など、会社全体の規定とは異なる勤務時間の従業員がいる場合は、「従業員情報」から個別に設定が必要です。

・個別設定を入力すると、会社全体の数値よりも優先して適用されます。
・空欄の場合は会社全体の数値が自動適用されるため、注意が必要です。

ポイント:「割増基礎」に含まれる手当のチェック

次に間違いやすいのが、どの手当を残業代の計算の基礎に含めるかという設定です。

「詳細設定」のチェック漏れに注意

「支給項目」の設定画面にある「詳細設定」を開くと、「割増基礎」というチェックボックスがあります。

・職務手当や役職手当など、法律上、残業代の単価に含めなければならない手当にチェックが入っていないと、その分が未払いとなります。
・自社の手当が残業代の対象(除外できる項目以外)かどうか、しっかり確認してチェックを入れる必要があります。

端数処理の設定

同じ画面にある「端数処理」も重要です。「切り捨て」設定にしていると、累積で未払いが発生する可能性があるため、原則として「切り上げ」または「四捨五入」を選択することを推奨します。

ポイント:「割増率」と「労働時間」の紐付け

最後は、計算式の「掛け合わせ」の部分です。

正しい割増率が設定されているか

法定の割増率が正しく反映されているか確認してください。

・普通残業:1.25以上
・休日出勤:1.35以上
・深夜労働:0.25以上(普通残業と重なる場合は1.50)

勤怠項目との連携

「どの労働時間データ」に対して「どの割増率」をかけるのか、数式が正しく紐付いているかを確認します。ここがズレていると、いくら勤怠データが正確でも最終的な給与額は正しくなりません。

まとめ:正しい設定で安心な給与計算を

マネーフォワード クラウド給与を導入する最大のメリットは効率化ですが、それは「正しい設定」があってこそ享受できるものです。

【注意すべき3つのポイント】

1.時給換算の分母(所定労働時間)は合っているか
2.割増賃金の基礎となる手当に漏れはないか
3.割増率と労働時間の組み合わせは正しいか

これらの設定は、雇用契約書や就業規則の内容と完全に一致している必要があります。設定に不安がある場合や、複雑な給与体系をお持ちの場合は、専門家である社労士への相談をおすすめします。

給与計算のミスは従業員との信頼関係にも関わる重要な問題です。今一度、自社の設定内容を丁寧にチェックしてみましょう。

この記事の著者

福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹

福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹

創業50年を超える歴史を持つ福岡社会保険労務士法人の代表社員。「手続きを代行するだけの社労士」ではなく、企業の成長と発展に本気で貢献する「提案型」の支援をモットーとしている。
強みは、労務相談や就業規則の見直し・作成といった基本業務に加え、勤怠・給与・タレントマネジメントなどのクラウドツール導入支援を組み合わせた総合的な人事労務の運用サポート。制度構築後の「運用」を重視し、労務環境の整備と企業発展に繋がる助成金の正しい活用にも注力している。

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