福岡社会保険労務士法人 広報◆
福岡社会保険労務士法人の広報チームです。難しくなりがちな労務・人事のテーマを、できるだけ分かりやすく、すぐに役立つ形でお届けします。法改正、勤怠・給与のDX、実務のお悩み解消など、日々の業務に役立つ情報を発信しています。
「うちは中小企業だから関係ない」——そう思っていませんか?
2025年4月、改正育児・介護休業法が段階的に施行され、従業員数301人以上の企業に「男性育休取得率」の公表義務が拡大されました。さらに、子の看護等休暇の対象年齢拡大など、規模を問わず全企業に影響する改正も多数含まれています。
本記事では、法改正の要点を社労士がわかりやすく整理し、すぐに使える実務対応チェックリストをご提供します。
目次
今回の改正は、2025年4月施行分と2025年10月施行分に分かれています。「施行済みだから大丈夫」ではなく、追加義務を正しく把握することが重要です。
2025年4月施行の主要改正ポイント
・男性育休取得率の公表義務が301人以上の企業に拡大(女性活躍推進法改正と連動)
・子の看護等休暇の対象年齢が「小学校就学前」→「小学校3年生修了」まで拡大
・介護離職防止のための個別周知・意向確認の義務化
これらの改正は「罰則で縛る」のではなく、「情報公開によって企業に自主的な改善を促す」という近年の法改正トレンドを踏襲しています。しかし、公表義務の不履行は行政指導の対象となるため、対応を後回しにすることはできません。
厚生労働省:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
これまで1,000人超の企業のみに義務付けられていた男性育休取得率の公表が、改正育児・介護休業法により301人以上の企業にも拡大されました。2026年4月には女性活躍推進法の公表必須項目も拡大され、「数値をどう正しく算出するか」が中堅・中小企業にとっても急務となっています。
名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変更。対象年齢が小学校就学前から小学校3年生修了までに拡大され、入園式・卒園式への参加も取得事由に追加されました。さらに、継続雇用6か月未満の従業員の除外規定も廃止されています。就業規則の改定が必要です。
2025年10月から施行済みのこの措置では、3歳以上小学校就学前の子どもを養育する労働者に対し、フレックスタイム制・短時間勤務・テレワーク等のいずれかを選択・提供することが義務となりました。制度の整備状況を今一度確認してください。
| 対応事項 | 対象企業 | 期限・時期 | 緊急度 |
|---|---|---|---|
| 男性育休取得率の公表 | 301人以上 | 2025年度分(2026年公表) | 高 |
| 男女賃金格差の公表 | 101人以上 | 毎年7月〜(継続) | 高 |
| 子の看護等休暇の就業規則改定 | 全企業 | 2025年4月施行済み・要確認 | 高 |
| 柔軟な働き方の措置導入 | 全企業 | 2025年10月施行済み | 中 |
| 介護:個別周知・意向確認の整備 | 全企業 | 2025年4月施行済み | 中 |
「施行済み」の項目でも就業規則や社内フローが未対応のケースが多く見られます。早急に自社の状況を棚卸しすることが必要です。
☐ 育児休業規程に「子の看護等休暇」の対象年齢(小3修了まで)を反映した
☐ 看護等休暇の取得事由(入園式・卒園式等)を規程に追加した
☐ 継続雇用6か月未満を除外する条項を削除した
☐ 3歳以上の子を持つ従業員向けの「柔軟な働き方」制度を規程化した
☐ 介護の個別周知・意向確認の手続きをフロー化した
☐ 男性育休取得率の計算方法を確認・数値を把握している
☐ 厚生労働省「両立支援のひろば」サイトへの登録・入力が完了している
☐ 女性活躍推進法の公表必須項目(新設分)を把握している
☐ 公表データを社内で管理する担当者を明確にした
☐ 育休・子の看護等休暇の改正内容を全従業員に周知した
☐ 妊娠・出産の申し出があった従業員への「個別周知・意向確認」を実施している
☐ 管理職向けに制度活用を促す研修・説明会を実施した(または予定している)
今回の法改正は「情報公開による自主改善」を求めるものですが、義務への不対応は行政指導・勧告の対象となります。さらに、採用・ブランディングへの影響も看過できません。
1.厚生労働省・都道府県労働局からの指導・勧告
2.求職者・取引先からの信頼性低下(公表義務不履行が露見するケース)
3.従業員からの損害賠償・労使トラブルに発展するリスク
4.助成金(両立支援等助成金)の受給要件を満たせず機会損失
また、2027年以降に予定される労働基準法の大改正(フレックスタイム制拡大・副業兼業時の割増賃金見直し等)に向けた準備も、今から着手しておくことが重要です。
今回の改正育児介護休業法は、就業規則の整備から公表データの管理まで、多岐にわたる実務対応が求められます。
下記のポイントを、まず今週中に確認することをおすすめします。
「何から手をつければよいかわからない」というご担当者のご相談を、当事務所では承っています。就業規則の改定・公表データの整備・助成金の活用まで、経験豊富な福岡社会保険労務士法人がワンストップでサポートします。
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