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助成金が不支給になる原因とは?就業規則・労務管理の落とし穴を解説

2026年4月8日

助成金は「申請すればもらえるもの」と思われがちですが、実際には申請しても不支給になるケースが少なくありません。

「制度は合っているはずなのに、なぜ通らないのか?」
その原因の多くは、制度そのものではなく、就業規則・雇用契約書・勤怠管理・賃金台帳など、日々の労務管理にあります。

本記事では、YouTubeで公開した「助成金は“労務管理”で決まる!正しく助成金を活用する方法」の内容をもとに、

400社以上の顧問先をサポートしてきた実務経験を踏まえ、助成金が不支給になる主な原因や、企業が事前に確認しておきたいポイントについてわかりやすく解説します。

助成金が不支給となる会社の共通点

助成金が不支給となる会社には、いくつかの共通点があります。

多くの場合、「助成金の制度を知らなかった」というよりも、就業規則や労務管理の整備が不十分であることが原因となっています。

特にキャリアアップ助成金のように雇用区分や転換制度、待遇差などが関係する助成金では就業規則の記載内容や運用の実態が厳しく確認されます。

つまり、助成金が不支給になる原因は「助成金の制度を知らなかったから」ではなく、日頃の労務管理のズレであることが多いのです。会社の労務管理が適切に整っているかが重要です。

よくある不支給の原因(例:キャリアアップ助成金)

1.就業規則の不備

助成金申請では、就業規則の内容が重要な確認ポイントになります。

例えば、次のような内容が明記されていない場合、不支給につながる可能性があります。

  • 正社員・有期契約労働者・パート社員などの定義
  • 正社員転換制度の内容
  • 各雇用区分の待遇の違い

キャリアアップ助成金では、「有期契約労働者を正社員へ転換する制度」が就業規則上きちんと整備されているかが重要です。

制度が実際に存在していても、就業規則に書かれていなければ審査上は認められないことがあります。

2.正社員転換後の待遇差が不明確

有期契約労働者を正社員へ転換した際、転換前後で待遇に差があることが求められます。

例えば、次のような違いが確認されるケースがあります。

  • 昇給がある
  • 賞与がある
  • 退職金制度がある
  • 手当や職務内容に差がある

一方で、転換しても賃金や待遇がほとんど変わっていない場合は、「実質的に正社員化したとはいえない」と判断され不支給になることがあります。

3.「昇給3%以上」の考え方を誤っている

助成金の要件としてよく出てくるのが、正社員転換時の賃金3%以上昇給です。

ここで注意したいのが、どの賃金・手当でも自由に含めてよいわけではない点です。

例えば、住宅手当のように実費を補う性質が強い手当は、昇給分として認められないことがあります。

また、そもそも就業規則に記載のない手当については、審査上の扱いで問題になることがあります。

ポイント
「実際に払っている」だけでは足りず、就業規則に根拠があり、支給ルールが明文化されているかが重要です。

4.就業規則と実際の運用が一致していない

助成金審査では、就業規則だけ整っていても十分ではありません。

次の書類同士の内容が一致しているかが非常に重要です。

  • 就業規則
  • 雇用契約書
  • 出勤簿・勤怠データ
  • 賃金台帳

例えば、雇用契約書上の労働時間と実際の勤怠が大きく違っていたり、就業規則に書かれていない手当が給与明細上支給されていたりすると、不支給の原因になり得ます。

助成金は、「ルールがあるか」だけでなく、「そのルール通りに運用されているか」まで見られる点に注意が必要です。

助成金の詳細な要件については、厚生労働省の公式ページでも確認することができます。
特に、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金、業務改善助成金などは制度の細かな条件が定められているため、事前に確認しておくことが重要です。

厚生労働省:キャリアアップ助成金

厚生労働省:人材開発支援助成金

厚生労働省:業務改善助成金

簡易チェックリスト|自社の労務管理は大丈夫?

助成金申請を考えている場合は、まず次の項目を確認してみてください。

チェックポイント

📌就業規則が長期間更新されていない
📌正社員・契約社員・パート社員の定義が曖昧
📌正社員転換制度が明文化されていない
📌手当の支給ルールが就業規則に書かれていない
📌雇用契約書と実際の勤務実態にズレがある
📌勤怠データと賃金台帳の内容に整合性がない

1つでも気になる項目がある場合は、助成金の申請前に見直しておくことが大切です。

助成金は「制度」ではなく「運用」で決まる

助成金というと、「どの制度が使えるか」「いくらもらえるか」に目が向きがちです。

しかし実際には、助成金を活用できるかどうかは、会社の労務管理がどれだけ整っているかで大きく変わります。

逆にいえば、就業規則・雇用契約・勤怠管理・賃金ルールが整理されている会社ほど、助成金申請もスムーズに進みやすくなります。

助成金は単なる資金支援ではなく、会社のルールや運用を見直すきっかけにもなる制度です。

不正受給には注意が必要

最近は、助成金の不正受給に関するニュースも注目されています。

当然ながら、実態と異なる申請や事実に反する書類作成は認められません。

助成金の不正受給が発覚した場合、支給額の返還だけでなく追加の納付が求められることもあり、企業名公表など大きなリスクにつながる可能性があります。

そのため、「もらえるように整える」のではなく、実態に合わせてルールと運用を適正化したうえで申請することが大切です。

まとめ|助成金を活用するなら、まず労務管理の整備から

助成金が不支給になる原因は、制度の理解不足よりも、就業規則や契約書、勤怠、賃金管理などの労務管理にあることが少なくありません。

特に、キャリアアップ助成金のように雇用区分や待遇差が関係する制度では、就業規則の整備と運用の一致が非常に重要です。

助成金は、会社をより良くするための制度です。だからこそ、申請の前に足元のルールと運用を整えておくことが欠かせません。

福岡社会保険労務士法人では、
助成金のご相談をいただく際には、まずは就業規則や労務管理の状況を確認させていただいています。

日々の労務管理が整っていることが重要になるため、制度のご案内と併せて労務面の整理からサポートさせていただきます。

「自社で活用できる助成金があるのか知りたい」といった段階からでもご相談いただけますので、お気軽にご相談ください。

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