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2026年10月義務化!カスタマーハラスメント
(カスハラ)対策の8つの対応項目

2026年2月26日

近年、顧客からの過度な要求や暴言が社会問題化しており、企業にとってカスタマーハラスメント(通称カスハラ)対策は避けられない課題となっています。

特に、2026年10月1日から施行される改正労働施策総合推進法により、すべての企業にカスハラ対策が義務付けられます。

この記事では、カスハラの定義から義務化の背景、企業が今すぐ取り組むべき5つの必須対応を詳しく解説します。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?定義と傾向

カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先などの利害関係者による、社会通念を超えた言動で、労働者の就業環境を害する行為を指します。

厚生労働省の資料によるとこのように定義されています。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念条不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの

 

具体的な事例としては、暴言・脅迫、過度な要求(例: 長時間の拘束や不当な値引き強要)、身体的攻撃、またはSNSでの誹謗中傷などが挙げられます。これらは単なるクレームとは異なり、従業員の精神的・身体的な健康を脅かすものです。

小売業やサービス業では、こうしたトラブルが増加傾向にあり、早期対策が求められています。

企業調査で過去3年間に相談があったと回答した企業の割合をみると、パワハラ(48.2%)、セクハラ(29.8%)に続いて、カスタマーハラスメント(19.5%)が高く、過去3年間の相談件数の推移ではカスタマーハラスメントのみ「件数が増加している」という結果が出ています。

また、過去3年間に各ハラスメントの相談があった企業のうち、カスタマーハラスメントに該当する事案があったとする企業の割合が92.7%と最も高いです。

厚生労働省:カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会

2026年10月義務化の背景と企業への影響

2025年6月に公布された改正労働施策総合推進法(労推法)により、カスハラ対策が雇用管理上の措置として義務化されます。

施行日は2026年10月1日を予定しており、業種や企業規模を問わずすべての事業主が対象です。この改正の背景には、カスハラによる従業員の離職増加や生産性低下が社会問題化したことがあります。

厚生労働省の調査では、カスハラ被害を受けた労働者の約半数が精神的なストレスを抱えていると報告されています。

義務化により、企業はカスハラ防止のための具体的な措置を講じなければならず、違反時は行政指導の対象となる可能性があります。一方、適切な対策を取ることで、従業員のモチベーション向上や企業イメージの向上につながります。

企業が講じるべき8つの必須対応

厚生労働省の指針案に基づき、企業がすぐに実践できる8つの必須対応をまとめました。これらを導入することで、2026年10月の義務化に備えましょう。

①事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発

まず、企業としてカスハラを許さない方針を明確に策定します。

社内規程や就業規則に「カスハラ定義」と「対応原則」を明記し、従業員全員に周知します。例えば、ポスター掲示や社内メールで啓発活動を行い、顧客向けにも店頭表示やウェブサイトで告知すると効果的です。

方針策定時は、労働基準監督署のガイドラインを参考に。曖昧さを避け、具体例を記載することで、従業員の理解を深められます。

②従業員(被害者)のための相談対応体制の整備

カスハラ被害を受けた従業員が気軽に相談できる窓口を設置します。

社内担当者(人事や上司以外)のほか、外部の社労士やカウンセリングサービスを活用。相談内容の秘密厳守と迅速な対応をルール化し、記録を残すシステムを構築します。

ポイント:匿名相談を可能にし、定期的に窓口の利用を促す研修を実施。福岡エリアの企業では、地元社労士を相談窓口に委託するケースが増えています。

③社内対応ルールの従業員等への教育・研修

全従業員向けにカスハラ対応研修を定期的に行います。

研修内容は、カスハラの見分け方、初期対応方法(例: 上司へのエスカレーション)、メンタルヘルスケアを含めます。新入社員教育にも組み込み、ロールプレイングで実践力を養います。

④従業員への配慮の措置

カスハラ発生時は、被害者のメンタルサポートを優先。

休暇付与や配置転換、カウンセリング提供を行い、再発防止策を講じます。また、加害者(顧客)への対応として、警告や取引停止を検討します。

アドバイス:ケア体制を整備することで、離職防止に繋がります。福岡の医療機関と連携したサポートを検討すると良いでしょう。

⑤対応方法、手順の策定

カスハラ発生時のフローチャートやマニュアルを作成します。

初期対応から報告、事後処理までを詳細に記述し、定期的に更新。過去事例を基に改善を繰り返します。

マニュアル等は社労士に相談して法令遵守を確認。事例を参考にカスタマイズすると実効性が高まります。

⑥事実関係の正確な確認と時間への対応

カスタマーハラスメントに該当するか否かを判断するため、顧客や従業員等からの情報を基にその行為が事実であるかを確かな証拠・証言に基づいて確認する。

事実に基づき過失がある場合は謝罪をし、交換や返金に応じる。過失がない場合は要求に応じない。

⑦再発防止のための取り組み

に同様の問題が発生することを防ぐ(再発防止の措置)ため、定期的な取り組みの見直しや改善を行い、継続的に取り組みを行う。

⑧1〜7までの措置と併せて講ずべき措置

に相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、従業員に周知。相談したことなどを理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、従業員に周知する。

 

今すぐカスタマーハラスメント対策を始め、安心の職場環境を

2026年10月の義務化を控え、カスタマーハラスメント対策は企業存続の鍵となります。上記の8つの必須対応を実践することで、従業員を守り、ビジネスの持続可能性を高められます。

福岡社会保険労務士法人では、方針策定から研修実施、相談窓口運営までトータルサポートを提供しています。カスハラ対策でお困りの際は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽に無料相談をお申し込みください。

当法人の労務相談ページ:労務相談

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