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【社労士解説】給与計算アウトソーシングはこれからの主流になる!?メリット・デメリットを解説

給与計算は、従業員の生活に直結する非常に重要な業務です。

しかし、「間違えられない」「作業負荷が高い」といった理由から、担当者の負担が大きい業務でもあります。近年、この給与計算業務を外部に委託(アウトソーシング)する企業が増えてきています。

今回は、給与計算のアウトソーシングについて、その概要から業務の流れ、そしてメリット・デメリットを詳しく解説します。

アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、業務の一部を外部の専門家や企業に委託するという考え方になります。

少子化による人口減少が進む日本では、自社だけでは対応しきれない業務を外部に委託し、自社のリソースを中核業務に集中させる流れが加速しています。

給与計算業務においても、海外ではすでに約70%の企業がアウトソーシングしているのに対し、日本はまだ約30%程度にとどまっています。このことから、今後、給与計算業務のアウトソーシングを検討する企業は増えていくと予想されます。

給与計算を外部委託した場合の業務の流れ

給与計算を外部に委託した場合でも、すべての作業から解放されるわけではありません。給与計算を始めるにあたり、自社で必ず行わなければならない「事前準備」があります。

自社での事前準備(勤怠の確定・変動情報の取りまとめ)

まず、給与計算の基礎となる勤怠(出退勤、労働時間)を確定させる必要があります。

・勤怠の確定:シフト作成、出退勤・休憩の打刻など、従業員が実際にどう働いたかという記録は、外部に委託していても自社で確定させる必要があります。

・変動情報の取りまとめ:給与計算期間中に発生した以下の変動事項をまとめます。

・入社・退社

・給料が変更した従業員

・扶養家族の増減

勤怠の最終確認作業

事前準備で確定した勤怠情報に間違いがないか、最終チェックを行います。

・チェック例

 ・休日出勤の処理が正しく登録されているか。

 ・有給休暇が正しく反映されているか。

 ・会社独自でカウントしている回数系(通勤回数や成果達成回数など)の記録に誤りがないか。

外部委託先での計算作業

このステップから、一般的に外部委託先のフェーズに変わります。

  1. データの登録:自社で確定した勤怠情報や変動情報を、委託先が給与計算ソフトに取り込みます。
  2. 自動計算と手作業:給与計算ソフトで自動計算された上で、自動化できない変動事項(入退社の給与日割計算、住民税の処理、変動手当の付与など)については手作業で調整が行われます。

最終チェックと銀行データ作成

計算が完了した後、最終的なチェックが行われ、銀行振り込みの準備に進みます。

・最終チェック:賃金台帳の出力や画面上で、社会保険料の改定(随時改定)や新規従業員の口座情報など、細部にわたる確認が行われます。

・銀行データの作成:チェック完了後、ネットバンキングなどで利用できる銀行データ(振り込み一覧ファイル)が書き出され、自社での振り込み作業に繋がります。

オプションサービスについて

外部委託先によっては、上記の基本業務に加えて、勤怠確認作業のサポートをオプションで提供しているケースもあります。

・サポート例

 ・打刻申請ができていない従業員への直接連絡・アナウンス。

 ・打刻エラー状況の定期的な報告。

 ・確定済みの勤怠データに対する、おかしな点がないかのチェック。

給与計算を外部委託するメリット・デメリット

給与計算業務を外部に委託することには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

メリット 詳細
社内リソースの有効活用 給与計算業務を外注することで、価値ある人材の時間を確保できます。特に給与の締め日によっては土日祝日を挟むことで残業や休日出勤が発生しやすい業務負担を軽減できます。
人材の戦略的な配置 給与計算担当者を、より付加価値の高い業務(給与結果の分析、人事評価、人事戦略など)に配置転換することが可能になります。
法的なリスクの軽減 外部の専門家は法律分野の知識が高いため、社会保険料の等級の漏れや料率変更のミスなど、法的なエラーが起きづらくなるというメリットがあります。

デメリット

デメリット 詳細
コストの発生 外部に委託するため、当然ながら費用が発生します。特に人手不足の現代では、委託料金が高くなっている傾向があります。
セキュリティ面の懸念 従業員の個人情報である給与データを外部に出すため、セキュリティ対策が重要な検討ポイントになります。
柔軟性の制限 外部委託先との間で「いつまでに勤怠を確定させるか」といったルールが必ず決まるため、自社内で行うよりも柔軟性に制限が出てきます。
社内担当者の必要性 完全に業務から解放されるわけではなく、外部との窓口として、社内にも最終確認や判断を行う担当者を置く必要があります。
コミュニケーションルールの重要性 外部とのやり取りをスムーズにするため、事前に業務フローやルールの明確な取り決めが重要になります。

 

まとめ

会社が生き残っていくためには、「どのようなサービスを提供し、それを実現するメンバーをどう整えるか」という本質的な業務に集中する必要があります。

給与計算のようなコアではないが重要な業務は、外部のリソースを積極的に活用し、社内の人的資源をより付加価値の高い仕事に振り向けるべきです。

給与計算を外部に委託することを、単なるコスト削減ではなく、会社がさらに上の仕事をしていくための戦略として検討してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、給与計算のアウトソーシングについてのご相談を受け付けております。
どこに外注したらいいかわからない・その手順で外注を進めればいいかわからない という方はぜひご相談ください!

この記事の著者

福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹

福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹

創業50年を超える歴史を持つ福岡社会保険労務士法人の代表社員。「手続きを代行するだけの社労士」ではなく、企業の成長と発展に本気で貢献する「提案型」の支援をモットーとしている。
強みは、労務相談や就業規則の見直し・作成といった基本業務に加え、勤怠・給与・タレントマネジメントなどのクラウドツール導入支援を組み合わせた総合的な人事労務の運用サポート。制度構築後の「運用」を重視し、労務環境の整備と企業発展に繋がる助成金の正しい活用にも注力している。

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