【社労士解説】マネーフォワードクラウド給与で「給与・賞与計算」を自動化!実務の流れを徹底解説
「給与計算をシステム化したけれど、実際の操作の流れが具体的にイメージできない」「賞与計算で気をつけるべきポイントは?」——。
マネーフォワードクラウド給与の導入を検討されている方や、運用を始めたばかりのご担当者様は、このような悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では、マネーフォワードクラウド給与の徹底解説シリーズ第3弾として、給与計算と賞与計算の具体的な実務フローと、社労士視点での注意点をわかりやすく解説します。
給与計算の基本的な流れ

マネーフォワードクラウド給与では、事前の「基本設定」と「従業員情報の設定」が完了していれば、計算業務の大部分が自動化されます。
ステップ1:支給日と支払日の確認
計算を開始する際、まず最初に行うのが「支給日」のチェックです。 例えば、支払日が土日祝日に重なる場合、前倒しにするのか後ろ倒しにするのかを確認します。変更が必要な場合は、メニューの「締め日・支給日」から簡単に修正が可能です。
ステップ2:勤怠データの登録(手入力・インポート)
次に、メイン業務となる「勤怠の登録」を行います。
・手入力の場合: 出勤日数や労働時間、残業時間を直接打ち込みます。入力すると、残業手当や法定休日手当などがリアルタイムで自動計算されます。
・勤怠クラウド連携の場合: 「勤怠データをインポート」ボタンひとつで、外部ソフトからデータを取り込めます。これにより、手入力によるミスを完全に排除できます。
ステップ3:月ごとの変動事項(手当・控除)の反映
扶養家族の増減、氏名の変更、保険料等級の改定など、その月特有の変更事項を反映させます。マネーフォワードでは、給与計算画面から直接従業員情報の編集画面へ飛ぶことができ、修正内容が即座に計算に反映されるため、画面の行き来が最小限で済みます。
計算完了後の必須業務:確定処理と振込
数値の確認が終わったら、事務作業を締めくくる重要な工程に入ります。
「給与確定」によるデータロックの重要性
計算に間違いがなければ、必ず「確定処理(ロック)」を行います。 確定後に従業員情報を変更しても、過去の給与データは書き換わりません。逆に、確定を解除した状態で情報をいじると、意図せず過去の計算結果が変わってしまうリスクがあるため、振込完了後はロックしたままにすることを推奨します。
FBデータ出力で振込ミスをゼロに
確定処理を行うと、FBデータ(全銀データ)の出力が可能になります。 このデータをネットバンキングに取り込むだけで、一人ひとりの振込金額を手入力することなく、安全かつ迅速に振込業務を完了できます。また、Web明細機能により、従業員は自分のスマートフォン等から即座に明細を確認できるため、印刷・配布の手間も不要です。
賞与計算の流れと「2つの注意点」
賞与計算は、月次の給与計算とは別にデータを「新規作成」して進めます。
賞与計算の基本操作
支給日や査定期間、対象者(正社員のみ等)を選択してデータを作成します。金額を直接入力すれば、社会保険料や所得税は自動で算出されます。
注意点1:対象期間と保険料計算の関係
システム上の「対象期間」の末日時点での保険加入状況によって、保険料が計算される仕組みになっています。 査定期間が支給日より大きく離れている場合、その間の保険加入状況の変化が反映されないケースがあります。対策として、対象期間を「支給日の前日」に設定するなど、実働に合わせた柔軟な調整が必要です。
注意点2:支給対象外の従業員への配慮
「今回は支給なし」の従業員が対象者に含まれていると、「賞与額0円」の明細通知メールが飛んでしまいます。受け取った側の心情に配慮し、メニューの「対象者を変更」からチェックを外しておくのが、実務上の細やかなポイントです。
まとめ:クラウド化で給与担当者のストレスを軽減
マネーフォワードクラウド給与を活用することで、勤怠入力から振込、明細配布までの一連の流れがシームレスにつながり、担当者の心理的負担は劇的に軽減されます。
特に、法改正に伴う保険料率の自動更新や、FBデータによる振込作業は、ミスが許されない給与実務において非常に強力な味方となります。
「自社に合わせた最適な設定を行いたい」「勤怠管理とのスムーズな連携を構築したい」とお考えの方は、ぜひ当事務所のクラウド導入支援サービスをご活用ください。

この記事の著者
福岡社会保険労務士法人 代表社員 社会保険労務士 村里男樹
創業50年を超える歴史を持つ福岡社会保険労務士法人の代表社員。「手続きを代行するだけの社労士」ではなく、企業の成長と発展に本気で貢献する「提案型」の支援をモットーとしている。
強みは、労務相談や就業規則の見直し・作成といった基本業務に加え、勤怠・給与・タレントマネジメントなどのクラウドツール導入支援を組み合わせた総合的な人事労務の運用サポート。制度構築後の「運用」を重視し、労務環境の整備と企業発展に繋がる助成金の正しい活用にも注力している。