ABWとは?
フリーアドレスとの違いも解説!
目次
ABW(アクティビティ ベースド ワーキング)とは?
ABW(Activity Based Working)とは、
近年、働き方改革やコロナ渦を背景に柔軟な働き方が求められる中、ABWは【人材確保】や【働きやすい職場づくり】の観点から注目を集めています。
フリーアドレスとの違い
フリーアドレスとは、固定席を持たず自由に席を選択できるオフィス内でのことを指します。
一方でABWはオフィス内外問わず、業務内容に応じて働く場所、時間を自由に選択できるフリーアドレスよりも自由度の高いワークスタイルです。
高集中:中断されずに深い集中を要する個人作業
コワーク:メンバーと場所を共有し短い会話や質問を交えながら行う個人作業
Web会議:1人でオンライン打ち合わせをする静かな通信環境
2人作業:2人で近くに並んで行う作業
対話:2~3人で行う議論や会話。予約でも突然でもいい
アイデア出し:新たな知識やプロセスを構築するために3人以上で行う協働活動
情報整理:計画の進捗を整理・議論するための3人以上で計画された会議
知識共有:3人以上のグループによる知識共有
リチャージ:仕事から離れ、休息やリラックスする時間
引用:ABW 10の活動©︎Veldhoen + Company(ヴェルデホーエン)社 オランダ
https://www.veldhoencompany.com/ja/news/remotework-6rules
ABW導入のメリット・デメリット
メリット
生産性の向上
従業員自ら業務内容に合わせて環境を選択できることで集中力が上がり業務の効率化を期待できます。
従業員満足度の向上
働き方を自分で選べることで満足度が高まり、仕事と家庭の両立や自己研鑽の時間を確保しやすくなります。
結果としてワークライフバランスが整い、離職率低下や雇用コスト削減にもつながります。
オフィスコストの削減
固定席を減らしワークスペースを見直すことでオフィスの維持コストを削減できます。
また、人材確保・定着 自由度の高い働き方が他社との差別化につながり優秀な人材の確保・定着が期待できます。
デメリット
コミュニケーション不足と孤立感
自由な働き方により声かけや雑談が減少。必要な人とすぐ話せない不便さが生まれることも・・。
チームワークの低下
メンバーが別々の場所で働くことで、気軽な声掛けや情報共有が難しくなり、連携不足やチームの一体感が低下するリスクがあります。
管理や評価が難しい
オフィス外勤務が増えることで労働時間の把握や勤怠管理が難しくなります。
さらに、情報セキュリティや機密情報の取り扱いルールを徹底しなければ、労務トラブルや情報漏洩のリスクが高まります。
また、働く場所が分散すると従来の「時間」や「勤務態度」を基準にした評価では不十分になります。
成果やアウトプットを明確にできる評価制度の整備が必要となります。
向いている業務と向いていない業務
向いている業務
・外出や打ち合わせが多い
・チーム内でアイデア出しが多い
・バックオフィス業務や資料作成が多い
向いていない業務
・現場常駐型の職種
・特殊な設備や場所での作業
・公共性が高く機密性を要するデータを取り扱いしている
ABW:導入方法
導入のステップ
▼導入目的を明確にする
生産性の向上、人材の確保・定着、コスト削減など自社にとっての導入目的を明確にします。
※目的が曖昧だと、ただの席替えで終わってしまいます。
▼現状を把握と目標の策定
社内アンケートやヒアリングで従業員が「どんな働き方を望んでいるか」「現場の不満は何か」を把握したうえで、どのような働き方を目指すのか、ABWを通じて何を達成したいのか目標を立てます。
▼就業規則・評価制度の整備
・就業規則や社内の規程を見直し、改定
・勤怠管理や労働時間のルールを整える
・評価制度の見直し
▼環境の整備
集中スペース、会議スペースなど多様な働き方に対応したオフィスレイアウトを設計
勤怠管理やコミュニケーションツールなどITツールの導入
▼トライアル運用とフィードバック
いきなり全社ではなく一部の部署でトライアルを実施
従業員の声を集め、課題を改善しながら運用方法を調整
▼本番運用と継続的な改善
全社で本番運用を開始します。
定期的なフィードバックを行い、改善することで定着しやすくなります。
まとめ
ABWは単なるフリーアドレスやリモートワークではなく、制度・環境・組織の文化が一体となって初めて機能する新しい働き方です。
導入することで業務効率の向上や従業員満足度の改善はもちろん、採用や定着率の強化にもつながり、企業と従業員双方に大きなメリットをもたらします。
一方で、勤怠管理の複雑化、評価制度の見直し、情報セキュリティ対策、システム導入コストといった課題も生じます。
これらの課題を乗り越えるためには計画的に制度を整え従業員の声を反映させながら段階的に導入していくことが重要です。
福岡社会保険労務士法人では、
📌就業規則の整備・見直し
📌評価制度や人事制度の見直し
📌勤怠管理など人事労務システムの導入支援
📌業務フロー改善コンサルティング
といった、制度・運用の両方からトータルでご支援しています。
ぜひお気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。
無料相談・お問い合わせ